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★私の愛読書/赤毛のアン




          赤毛のアンシリーズは私の大好きな本です。
          今でも大事な愛読書です。松本侑子さん訳の本が特にお薦めです
          アンがどんな家庭生活をしていたか興味ありませんか?

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          電気もガスも水道もない、グリーン・ゲイブルズの家庭生活は、どのようなものだったのか。
          プリンスエドワード島に電灯が街灯としてついたのは1885年。
          だとするとアボンリーにはまだ電気がない。
          灯りはオイルランプとロウソクだけ、だから充分な明るさではないので、
          太陽が出ているうちに仕事が終わるように、朝早くから起きる。
          アンは大抵、日の出前に起きてる。

          洗濯も掃除もすべて手作業、アイロンはストーブの上に鉄を熱してあてる。
          トイレは屋外にあるので、夜は寝室で用をたす事になる。ベッドの下に壷を置いたおきそこで済ます。
          お風呂は、週1回、お湯をわかし大きなタライにはり、体を洗う。
          でもその用意が大変な作業で、井戸水をポンプで汲み、運び、スト―ブで沸かした。
          週に1回はその準備が大変なせいでもあった。
          朝の洗顔は、寝室においた洗面机に、水うを入れた水差しと洗面器をおいて、そこで洗った。
          料理の大変な手間がかかった。
          肉は、家で飼ってる牛や豚を定期的に殺して、たいていは、とっても塩辛い塩漬けにし、
          冷暗所か氷室に保管。
          チキンは、その都度飼ってる鶏を絞めて調理した。
          野菜も自給自足。
          農薬のない時代だから虫もたくさんついていただろう。
          畑から取った泥つきの野菜を洗って、やっと調理が出来るのである。
          塩と調味料は食料品店で買った。
          でも、シチューを作るとなると、クリーム、バターは自家製。
          最初に乳牛を育て乳を搾る。そのミルクから、乳脂肪である生クリームを分離させてクリームをとる。
          生クリームを攪拌させてバターを作った。
          余った牛乳は腐らせるわけにはいかないので、チーズを作った。
          クリームをとった残りのミルク(スキムミルク)は、アンの家では、豚の餌にした。
          パンも勿論、自分の畑で収穫した小麦が原料。
          小麦は製粉所に出したと思われるが、焼くのは家のオーブン(台所用の大型ストーブの中についている)で、
          焼いた。
          パンやケーキ、クッキーは焼く日を決めておいて、まとめて焼いた。
          今のオーブンのように温度設定などはなく、経験とカンだけで、この木材の薪を
          燃やすと何分くらいで何度ぐらいまで温度があがるとか、
          熱したストーブの表面に水を落とした時の弾け具合で今は何度くらいと見積もる。
          もちろん薪も自分達に作る。
          洋服も普段着はすべて家で手で縫っていた。
          よそゆきのドレスはプロの仕立て屋に頼んでいるが、アンの普段着、エプロン、靴下、セーター、
          ベッドカバー、家具のレースカバーにいたるまで、すべて手作り。
          アンの家庭生活というと、甘いケーキを焼いたり、花柄の布でパッチワークをしたり、
          可愛らしいことばかりしていたと思いがちだけれど、当時の主婦はたいへんな
          仕事をしていたのを忘れてはならない。
          家を美しく清潔に整え、食料はいつもたっぷり備蓄して安心感、生活のすべてを
          コツコツと手作りで成し遂げる充実感、人に頼らず自分だけの力でくらしていた
          マリラ、レイチェル・リンド夫人、アンの誇りと喜びを少しは見習いたいと、赤毛のアンを読むと思うのですが・・・


          参考図書:誰も知らない「赤毛のアン」:松本侑子 


          赤毛のアンの最後に引用された詩『ピッパが通る』の『朝の詩』より
          最後の2行が引用されている。

          ―Pippa's Song―

          The year's at the spring,
          And day's at the morn;
          Morning's at seven;
          The hill-side's dew-pearl'd;
          The lark's on the wing;
          The snail's on the thorn;
          God's in His heaven--
          All's right with the world !

          by Robert Browning


          ―春の朝―

          時は春、
          日は朝(あした)、
          朝(あした)は七時、
          片岡(かたをか)に露みちて、
          揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
          蝸牛枝(かたつむりえだ)に這(は)ひ、
          神、そらに知ろしめす。
          すべて世は事も無し。

          (ロバート・ブラウニング)




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